生成AI（ジェネレーティブAI）とは？おすすめツール12選

最近、SEOに強いAIライティングツール「トランスコープ」などの生成AIや、ジェネレーティブAIという言葉を耳にする方も多いのではないでしょうか。

生成AIは文章や画像、動画生成だけではなく、文字起こしやコーディングもできるAIです。

近年、生成AIの技術が発達し、時には人間を超える程の能力を発揮することもあります。そのため、仕事や日々の生活で、うまく活用したいと考える方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、生成AIの概要や、活用するメリット、さらには利用上のリスクについてご説明します。

また、生成AIを搭載した文章生成や画像生成など、機能別におすすめのツールを12個ご紹介します。

生成AIについて知っていただき、さまざまなコンテンツ作成にお役立てください。

生成AIとは何か

生成AIとは別名ジェネレーティブAIと呼ばれ、さまざまな新しいコンテンツを生産できるAIのことをいいます。

有名なのはChatGPTやMidjourneyといった文章や画像を作る生成AIです。また、生成AIの中には動画や音声、3D画像、プログラミングなどが生成可能なAIもあります。

以前のAIは、事前に決められたルールや作業手順を自動で行うためのものが中心でした。

しかし、近年登場した生成AIは、ディープラーニングという深層学習を用いて、学習した情報を組み合わせながら新しいものを創造します。

従来の自動化が目的のAIとは一線を画した生成AIの技術は、まさに革新的といえるのです。

精度が向上しビジネスシーンでの活用が期待できる

生成AIがビジネスシーンでの活躍が期待できる理由として下記の３つが挙げられます。

1点目は、生成AIの質が向上したことです。これは、AIが優秀になり、またGPUの性能が向上したことから、AIが学習可能なデータ量が急激に増えたことが関係しています。ユーザーがこういうコンテンツを作ってほしいという要望を出せば、ある程度は希望に近いものを生成してくれます。

２点目は、コンテンツ生成のスピードがアップしたことです。効率的に生産性を上げることが求められるビジネスにおいては、処理スピードの速い生成AIは重宝されるでしょう。

3点目は、誰でも使えるシンプルな操作性があげられます。ChatGPTが急速に普及した理由の1つは、あのシンプルなユーザーインターフェースにあるでしょう。特別な知識はなくとも誰でも利用できる生成AIは、さまざまなビジネスシーンで活用できます。

プロンプトや画像、データをもとにコンテンツを生成する

生成AIの指示出しに使われるのは、主にプロンプト（Prompt）と呼ばれるテキストです。プロンプト以外では、画像や動画、音声の情報を読み取りコンテンツ生成に活かすこともあります。

日本語に対応できる生成AIもありますが、多くの場合が英語対応です。そのため日本語を英語に変換し、プロンプトを作る必要があります。その際にはDeepLなどの翻訳ツールを活用すると便利です。

生成AI（ジェネレーティブAI）を活用することによるメリット

生成AIを活用するメリットは以下の3点です。

1. 業務の効率化が図れる
2. アイディアが思い浮かばない時の助けになる
3. コストを大幅に下げられる

それぞれ説明します。

1.業務の効率化が図れる

生成AIを導入するメリットは、何と言っても日々の業務を効率化できることです。日々の業務において、生成AIを利用できるシーンは多々あります。

たとえば

• 文章やキャッチコピーの作成
• Webサイトに載せるアイキャッチ画像や動画コンテンツの作成
• プログラミングコード生成
• 会議の音声を拾って文字起こし

などが挙げられます。

今まで人間が行ってきた仕事を生成AIに置き換えることで日々の業務における負担軽減や、人手不足の問題も解決できるでしょう。スタッフはより重要度の高い業務に専念できます。

2.アイディアが思い浮かばない時の助けになる

アイディアが思い浮かばないと、作業が行き詰ってしまうことがあります。そのような時は、生成AIとブレインストーミングを行う方法があります。

ブレインストーミングとは、本来であれば数人のメンバーで議論を行い、アイディアを出す手法です。ただ、ブレインストーミングするメンバーが身近にいない場合もあります。

文章生成AIのChatGPTを活用すると、ネット上のあらゆるデータを学習しているため、優秀な壁打ち相手となるでしょう。アイディアのヒントを得たい時はぜひ文章生成AIと対話してください。一人で考えるよりも遥かに多くのアイディアを引き出せます。

3.コストを大幅に下げられる

コンテンツ生成や開発において、自社の人的リソースや外部に依頼するための外注費用が必要でした。しかし、生成AIを導入すると、人間が行っていた作業の一部をAIに任せられることから、人的コストを大幅に下げられます。

生成AIによる生成物をチェックする人員さえいればよいので、ツール導入前と比べると少人数のスタッフで業務を回せます。

おすすめ生成AI（ジェネレーティブAI）12選

生成AIは、文章や画像を生成できるツールが注目を集めています。しかし、生成AIができることはそれだけではありません。

動画や音声、3D画像、さらにはプログラミングコードまで生成可能です。生成AIは無料で利用できるツールも多く、気軽に試せるのも魅力です。

ここからは、機能別におすすめの生成AIのツールを12個ご紹介します

1．トランスコープ（文章生成AI）

引用元：トランスコープ

料金

• Free：¥0
• Basic：¥11,000/月
• Pro：¥38,500/月
• Enterprise：¥66,000/月
• Customize：応相談

トランスコープは、OpenAI社の最新APIであるGPT-4を活用し、精度の高い文章を生成できます。

SEOに特化したツールであるため、競合分析を施したコンテンツ生成など、GPT-4単体ではできない機能を備えていることが強みです。

AIへの指示出しは、一般的なテキストのほかに、URLや画像ファイル、音声やCSVなどの情報からも行えます。

2．ChatGPT（文章生成AI）

引用元：ChatGPT

料金

• ChatGPT 通常版： 無料
• ChatGPT Plus ：20ドル/月

ChatGPTは対話型AIツールで、ユーザーの要望や質問に対して、文章で回答するのが特徴です。幅広い分野の知識がありますので、さまざまなテーマの文章作成に役立つことでしょう。プログラミングのコードも生成可能です。

ChatGPTは無料で使えますが、質の高い文章を求めるなら、有料プランのChatGPT Plusを契約することをおすすめします。

ChatGPTの始め方について詳しく解説しているコラムがありますので、ぜひご覧ください。

初心者向けChatGPTの始め方: ログインURLからアプリまで

また、ChatGPTを使いこなすには、効果的なプロンプトを知ることが鍵となります。

様々な用途で活用できるプロンプトをまとめた厳選プロンプト集をこちらからダウンロード可能です。ご興味がおありの方は、無料ですのでダウンロードされてみてください。

3．Midjourney（画像生成AI）

引用元：Midjourney

料金

• Basic Plan： 10ドル/月（96ドル/年）
• Standard Plan：30ドル/月（288ドル/年）
• Pro Plan：60ドル/月（576ドル/年）
• Mega Plan：120ドル/月（1,152ドル/年）

Midjourneyは、生成される画像のクオリティが高いことから、2022年のリリース後に話題となりました。

利用の際にはDiscordというボイスビデオテキストコミュニケーションサービスと、MidjourneyのBeta版を登録する必要があります。画像生成はDiscord上で行います。

以前は無料で画像が生成できましたが、現在はベーシック、スタンダート、プロの有料プランに加入したユーザーのみ利用できます。

Midjourneyはプラン毎にGPU（画像処理装置）の使用時間が決まっています。また生成した画像は商用利用が可能です。

4．Stable Diffusion（画像生成AI）

引用元：Stable Diffusion

料金

• オープンソース版：無料
• Stable Diffusion API：1,000クレジットあたり10ドル

Stable Diffusionは、StabIlity AIの画像生成AIです。

Diffusion Modelという潜在拡散モデルを搭載し、テキストをもとに画像の生成ができるよう訓練されています。

画像生成はHuggimg FACEやDreamStudio、StableStudio、Mage.spaceなどのWebサービスで行います。画像生成のWebサービスに関しても基本的に無料ではありますが、利用方法によっては有料になる場合もあります。

また、Stable Diffusion APIを利用する場合は有料です。最初にクレジットを購入してから利用します。クレジットの消費量はモデルの種類などによって決まります。

生成した画像は商用利用できます。

なお、2023年7月にはStabIlity AIの最新モデル”SDXL1.0”がリリースされました。Stable Diffusionの改良版であるSDXL1.0は、さらに高品質な画像生成ができるとのことで要注目です。

画像生成AIツールは他にもいくつかあります。画像生成AIツールのおすすめ6選とプロンプト結果を徹底比較のコラムで詳しく紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

5．Gen-2 （動画生成AI）

引用元：Gen-2

料金

• Basic： 無料（125クレジット付与）
• Standard： 15ドル/月（年契約の場合、12ドル/月）
• Pro： 35ドル/月（年契約の場合、28ドル/月）
• Enterprise ：要問合せ

Gen-2は、Runway社が開発した動画生成AIです。Webブラウザの他、IOSアプリ（RunwayML）からも利用できます。

動画作成方法については下記の4つがあります。

• テキストから動画（Text to Video）
• 画像から動画（Image to Video）
• 動画から動画（Video to Video）
• 画像とテキストから動画（Image+Description to Video）

生成した動画は商用利用ができます。

6．Creative Reality™ Studio（動画生成AI）

引用元：Creative Reality™ Studio

料金

• Trial：無料
• Lite：5.9ドル/月（年契約の場合、4.7ドル/月）
• Pro：29ドル/月（年契約の場合、16ドル/月）
• Advanced：196ドル/ 月（年契約の場合、108ドル/月）
• Enterprise： 要問合せ

Creative Reality™ Studioは、直感的な操作により、誰でも簡単にアバターを使った音声入りの動画が作成できる生成AIです。

アバターはあらかじめ用意されていますが、手持ちの顔画像や写真、イラストを取り込むことも可能です。

アバターに喋らせたい言葉は、テキスト入力しスクリプトを作成します。音声は約120の言語に対応し、性別や雰囲気も設定できます。また、自分の声をアップロードし動画の音声に使うこともできます。

Creative Reality™ Studioは無料トライアルと有料プランが設けられています。トライアルは5分までの動画が作れます。有料プランのもっとも安いプランであるLiteは、1ヵ月に100体のAIプレゼンターを生成できます。

7．Whisper（音声生成AI）

引用元：Whisper

料金

• Whisper：オープンソースで公開されているため、無料
• WhisperAPI：1分あたり0.006ドル

Whisperは、OpenAIが開発した文字起こしツールです。

Web上から68万時間分の音声データを学習しており、日本を含めた99ヵ国の言語に対応しています。とくに日本語は、他の言語と比べても文字起こしの精度は高く、ビジネスシーンでの活用が期待されています。

WhisperはGitHubでソースコードが公開されており、無料で利用が可能です。文字起こしはGoogle Coaboratory、またはHugging FACEのプラットフォーム上で行います。

また、WhisperはWhisperAPIから利用する方法もあります。WhisperAPIはインター・ラボ株式会社が2022年にリリースした文字起こしAPIです。

8．writeout.ai（音声生成AI）

引用元：writeout.ai

料金

• オープンソースで公開されているため、無料

writeout.aiは、前項で紹介した音声生成AI、Whisperをさらに使いやすくした文字起こしツールです。Whisperと同じくGitHubで公開されています。Whisperは初期設定が難しいため気軽に使えるものではありませんでしたが、writeout.aiは環境構築を簡略化したことにより、誰もが使えるように改善されました。

writeout.aiは、Whisper APIおよびChatGPT APIを活用しており、文字起こしの精度は高いと評判です。対応言語は10以上。有名な海外SFテレビドラマで使用されている架空の言語にも対応しています。また、他の言語に翻訳できますので、たとえば日本語の音声を英語の音声に変換することも可能です。

writeout.aiは、長時間の文字起こしに対応できるため、議事録や取材のシーンでも活躍できるでしょう。

9．Shap-E（3D生成AI）

引用元：Shap-E

料金

• オープンソースで公開されているため、無料

Shap-Eは、OpenAIが提供する3D画像を生成するAIです。3D画像を作るときは、ご自身が所有する写真やイラスト画像や、英文テキストのプロンプトを入力します。

3Dモデルを作る所要時間もわずか数十秒です。OpenAIはShap-Eをリリースする前にPoint-Eという3D生成AIを開発しています。両者の違いは、3Dモデルの生成方法です。

Point-Eは、色の点を集めて3Dモデルを生成します。その一方Shap-Eは、各方面から撮影された写真をもとに3Dモデルを作成しますので、Point-Eよりもリアリティのある3D画像が作れるようになりました。さらに、生成した画像の微調整もできます。

10．Mechy.AI（3D生成AI）

引用元：Meshy.AI

料金

• ベータ版 無料（毎日200クレジット付与）
• アルファ版
• Starter（200クレジット購入）：4ドル
• Enthusiast（1,000クレジット購入）：16ドル
• Maestro（3,000クレジット購入）：36ドル

Meshy.AIは、3D制作の全自動化を目指すべく開発された3D生成AIツールボックスで、Meshy.AIにより、テキスト、画像からの3Dモデルの生成と、テクスチャの生成が可能です。テクスチャとは、3Dモデルの表面に色彩や質感を与える技術です。3Dモデルやテクスチャは2分以内で生成が可能です。3D画像を作成する際にはDiscordのサーバ上で作成します。

11．GitHub Copilot（プログラミングコード生成AI）

引用元：GitHub Copilot

料金

• GitHub Copilot for Individuals（個人向け）：10ドル/月、100ドル/年
• GitHub Copilot for Business（企業・団体向け）：ユーザーあたり19ドル/月

GitHub Copilotは、プログラマーを支援するためのコーディング生成AIです。

入力したコメントやコード、関数名などをもとにAIが最適なコードを提案します。

GitHub Copilotの特徴の1つが、ソースコードの予測をして自動で補完できることです。予測したコードは、Tabを押すと作成中のプログラムに反映されます。

GitHub Copilotの料金は、個人プランとビジネスプランによって異なります。

ビジネス向けプランに加入するメリットはGitHub Copilot Chatが使えることです。これによりサポートされているIDE内では、直接コーディングに関する質問ができます。

12．Amazon CodeWhisperer（プログラミングコード生成AI）

引用元：Amazon CodeWhisperer

料金

• Individual（個人向け）：無料
• Professional（組織向け）：19ドル/月

Amazon CodeWhispererは、AWS（Amazon Web Services）が提供するAIコーディング支援ツールです。

数十億行のAmazonコードや公開されているコードを学習しており、コメントや既存のコードをもとにさまざまなコードの提案をリアルタイムで生成します。

CodeWhispererはAWS Cloud9、AWS Lambda コンソール、JupyterLab、Amazon SageMaker Studioなどの統合開発環境（IDE）で利用できます。

生成AI（ジェネレーティブAI）を活用する上でのリスク・注意点

生成AIを活用する上でのメリットは大きいです。一方で、リスクも存在します。

知的財産権やプライバシーの権利を侵害してしまう恐れがある

生成AIは、既存のテキストや画像などのデータからコンテンツを生成します。そのため、類似コンテンツを生み出す恐れがあります。

コンテンツに関わる法律には、著作権や商標権、意匠権などの知的財産権があります。また、パブリシティ権や肖像権といったプライバシーの権利にも注意すべきです。

情報漏えいの危険性がある

生成AIに個人情報や、NDAを締結して取得した機密情報などを入力すると、情報が流出してしまう危険性があります。

外部サービスである生成AIに、うっかり機密情報を入力してしまわないよう、事前に対策を立てておきましょう。

誤情報が含まれる

文章生成AIは、AI技術の進化とともに正しい情報を出力できるようになってきています。ただし、生成結果がまったくのでたらめという場合もあります。

生成したコンテンツは必ず、根拠や裏付けの確認をしてから使用しましょう。

誤った情報を生成してしまう問題を防ぐためは、AIが引き起こすハルシネーションを防ぐファクトチェック法を解説のコラムで詳しく解説しています。

ぜひ参考にご覧ください。

ガイドラインに違反してしまう

生成AIを提供するサービスは、ほとんどの場合、利用上の規約が設けられています。たとえばChatGPTでは、政治や差別、性に関する内容などのコンテンツをAIで生成することは禁止されています。

 生成物の取り扱いを誤るとアカウントが停止されたり、法違反と判断されたりすることもあるためガイドラインは守りましょう。

生成物をそのまま使うと著作権が発生しない場合がある

生成AIで作成した生成物は人の手が加わっていないため、基本的に著作権は発生しません。

それにより

• 機密情報が保護されない
• 特許出願はできない
• 模倣され放題

などのリスクがあります。

著作権が発生するか否かの判断材料となるのは、人間の創作的な寄与があげられます。必ず加筆や修正などをして、人間の手を加えましょう。

上記の注意点を理解し、生成AIのリスクを回避しましょう。

また、ChatGPT利用時に想定されるリスクや危険性について、より詳しく知りたい方は意外と知られていない?ChatGPTのリスク・危険性10選のコラムも是非ご覧ください

生成AI（ジェネレーティブAI）を活用し楽にコンテンツ生成しよう

生成AIは文章や画像、動画コンテンツの作成、文字起こし、プログラミングコードなどのコンテンツを生み出せるAIです。

知的財産権やプライバシー権など他者の権利を侵害しないように注意しながら、この機会にさまざまなコンテンツを作成してはいかがでしょうか。

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